群島の日誌

フランスの展覧会感想や読んだ本の感想など。写真展と近代・現代アート中心の予定です。

エドモン・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』/ 運命を分かち合う二人の男の生き様

仏文50チャレンジ第8回の感想は、第8位の『シラノ・ド・ベルジュラック』(光文社古典新訳文庫、渡辺守章訳)についてです。 前回『アンチゴーヌ』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com 渡辺訳の密度がすごい 『シラノ・ド・ベルジュラック』にはいく…

ジャン・アヌイ『アンチゴーヌ』/ 譲れない原理が対決する、フランスが生きた悲劇

仏文50チャレンジ第7回の感想は、第15位の『Antigone(アンチゴーヌ)』(La Table Ronde)についてです。 前回『うたかたの日々』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじの前に 劇作家ジャン・アヌイによる『Antigone(アンチゴーヌ)』は、…

ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』/ 想像力の地平を広げる、悲痛な恋愛物語

仏文50チャレンジ第6回の感想は、第14位の『うたかたの日々』(光文社古典新訳文庫、野崎歓訳)についてです。 前回『三銃士』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ 空想が現実に存在する世界。十字架のイエスが話し、そしてジャン=ソール…

アレクサンドル・デュマ・ペール『三銃士』/ 理想の騎士ではない銃士たちの冒険物語

仏文50チャレンジ第5回の感想は、第13位の『三銃士』(岩波書店、生島遼一訳)についてです。 前回『モンテ=クリスト伯』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ 「これから、われわれ《四人一体》これを標語にしようではないか?」 「しかし…

アレクサンドル・デュマ・ペール『モンテ=クリスト伯』/ 金と計略(と時々ハシシ)、復讐劇の傑作

仏文50チャレンジ第4回の感想は、第12位の『モンテ=クリスト伯』(講談社文庫、新庄嘉章訳)についてです。結末にも触れているので未読の場合はご注意ください。 前回『カンディード』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ では、わたしが…

ヴォルテール『カンディード』/ 苦難の果てに「私たち」が集う物語

仏文50チャレンジ第3回の感想は、第11位のヴォルテール『カンディード』(光文社古典新訳文庫、斉藤悦則訳)についてです。 前回『ベラミ』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ ドイツ・ウェストファリアのツンダー・テン・トロンク城にて…

ギ・ド・モーパッサン『ベラミ』/ 「悪漢の種子」の成長譚

仏文50チャレンジ第2回の感想は、第10位のギ・ド・モーパッサン『ベラミ』(角川文庫、中村佳子訳)についてです。 前回『赤と黒』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com 『ベラミ』は、パリでくすぶっていた主人公ジョルジュ・デュロワが、新聞社の記…

レン・ハン写真展「LOVE, REN HANG」/身を覆い隠すいちぢくの葉を取り除く

If life is a bottomless chasm, when I jump the endless fall will also be a way of flying ーもし人生が底なしの深淵であるならば、永遠の転落は飛翔にも成り得る もう2年近く前になるが、パリのヨーロッパ写真美術館(MEP)で中国の写真家レン・ハンの…

ステファヌ・ラヴエ写真展「Hent」/ブルトンの静かな祈り(2020年ベスト展覧会)

今年フランスは2回のロックダウンにより、展覧会やアートフェアは中止が相次ぎ、美術館は現時点でも人の集まりを避けるため閉鎖を余儀なくしている。 それでも、ロックダウンの合間に運良くタイミング良く訪れた中で、夏にブルターニュの港町で見たステファ…

フランス文学ベスト50を全て読んでみるというチャレンジについて

前回、最初の投稿として『赤と黒』の感想を書いた。 これは去年あたりからゆるりと始めた「フランス文学ベスト50読破チャレンジ」に従って読んだものだった。 始めた理由は、この国をより知る手がかりになると思ったことと、あと読んだことのない作品、特に…

スタンダール『赤と黒』

皆さんこんにちは。友人である藤ふくろう氏(@0wl_man)の導きで海外文学・ガイブンAdvent Calendar 2020に参加することとなりました。 初めはTwitterでと考えていましたが、さすがは近代フランス文学の名作、数ツイートでは収まらない気がし、一つブログを…